小豚と美貌鹿

生きる上で役立つなあ、と思ったこと、日々の生活の中で頭に入れたいことなどを纏めます。

認知的不協和の解消

今回は前回お送りした「本当に使える心理学(1)」の続きです。

前記事はこちら↓↓

 

porkblog.hatenablog.com

 

さて,前回お伝えしたのは返報性の原理というものでした。

そして,返報性の原理によって秘密を暴露してしまった場合,認知的不協和の解消という現象が起こる,というとこまでお伝えしましたね。

 

今回はこの認知的不協和についてお話ししようと思います。

 

 

認知的不協和論とは,アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した理論です。(レオン・フェスティンガーにつき以下,Wikipediaのリンク)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC

 

認知的不協和とは,自分自身の価値観と矛盾することが起きた場合の不快感のことをいいます。

 

そして,認知的不協和の解消とは,認知的不協和が発生した場合にその矛盾による不快感を減少させようとする心理的働きのことなのです。

 

この認知的不協和はすべての人間に日常的に起こっている事であり,その解消もまた日常的に(無意識下で)起こっています。

とはいえ,いきなり認知的不協和とか言われてもピンとこないかと思います。ですので,以下にいくつかの認知的不協和の解消の例を紹介しようと思います。

 

認知的不協和の解消の一例

・あなたが1万円のランチを食べに行ったとします。そこで1万円も払ったのだからさぞ美味しいランチが出てくると思いきや,想像外に美味しく感じなかった場合。これが認知的不協和が起こっている状態です。

そこであなたの内心で認知的不協和の解消が起こります。「高級というものはきっとこういう味の事を言うのかもしれない」「食べ終わってから改めて思うとあんな味の者はこれまで食べたことが無かった気がする,うん美味しかった!」等のように考えること,これが認知的不協和の解消という現象です。

 

・他にも,定価+手数料で行ったライブのセトリが微妙だったときに「こういうセトリは中々ない,レアな公演だった」と考えることや,定価+手数料で行ったライブで面白くないMCがめっちゃ長かった時に「まああの推しの話も結構エモくて良かったよな」と感じること,高い木に生っているブドウを採れないキツネが「あのブドウは絶対酸っぱいよ」と呟くようなこと,これらのような精神の働きが認知的不協和とそれに対する認知的不協和の解消が働いていると言えます。

 

認知的不協和論の恋愛・人間関係への活用

ここまで認知的不協和の解消について説明してきましたが,さてこれが心理学テクニック的にどう使えるのでしょうか。

 

カンの良い方ならもうお気づきでしょうが,そう,認知的不協和を起こしてやればいいのです。そして,それに対する認知的不協和の解消によって自分への高感度が上昇すれば良いわけです。

 

ここで前回の記事の返報性の原理が出てくるわけです。返報性の原理によって,まだ恋人でも家族でも親友でもない人に対し「信頼している人にしか話さないようなこと」を話してしまった場合。ここに自分の価値観と矛盾した行動をとったという認知的不協和が生じます。そしてその相手の内心では認知的不協和の解消が起こり,あなたを信頼している人の枠に入れてしまうのです。つまり「信頼している人にしか話さないこと」を「信頼している人に話した」という形で,矛盾による不快感を解消するわけですね。

 

これは簡単にできてしまうことですが,相手の内心に働きかける為に効果が高いです。

恋愛テクニックとしてだけでなく,同性や先輩後輩関係にも本当に使える現象ですので,心の隅にでも置いておくといいかもしれませんね。

 

 

                                   以上