返報性の原理
最近,記事や本などで「〇〇に使える心理学」とか,「絶対に使える恋愛心理学」といったものを見ることが多くありませんか?あらゆる情報があっと言う間に手に入る現代,少しでも「人生の攻略本」のような方法を知りたい人が多いのかな,なんて思ったりします。
かくいう私もそんな考えの1人で,こっぴどい失恋を経験して以降,あらゆる「心理学」「恋愛学」みたいな方法を読み漁りました笑
でも情報が簡単に手に入る世の中だからこそ,本当にそれが使えるかどうか,ということについてはより慎重になる必要があります。私も読んできた中で,実際根拠がはっきりしていない・素人目から見ても明らかに疑問が出てしまう,といったようなテクニックが大半でした。だからこそ,本当に使える心理学テクニックを備忘録的にまとめることにしました。もし興味があれば心の片隅にでも留めておいて,日々をちょっとだけ楽しいものにしてみてください。
とはいえこれは本当に効果があるので,絶ッッッ対に悪用はしないでください。
では中身に入っていきます。絶対悪用しないでくださいね!
返報性の原理
今回紹介する本当に使える心理学は「返報性の原理」と呼ばれる仕組みについてです。
端的に言えば
人は自分が何かをしてもらったら,何かを返したいと思う
心理的働きのことです。
この原理自体は割と有名ですし,いろんなところで紹介されておりますが,その絶大な威力に比べて「簡単なテクニック」的な,軽い位置におかれていることが多いように思います。
ですがこの仕組み,どんな人にもほぼ例外なく当てはまる上に,抗い難い拘束力を発揮します。
これは過大な誇張表現でもなく,普段から起きている現象なのです。
例えば誕生日にプレゼントをくれた人がいれば、その人の誕生日には「なんかお返ししようかなあ」と思いますよね。これが返報性の原理のわかりやすい例です。
返報性の原理は物をもらった場合のみに限りません。自分にだけ秘密を打ち明けてくれた人に対しては自分も何か秘密を暴露してしまいたい気持ちになります。
私もついこの間,どう考えても他の人に話したらマズイだろ,というような話を暴露されて,ついつい自分も秘密を打ち明けてしまったことがあります。
ある研究によればこの返報性,最初に与える側ではなく,返す側の方が5倍も高くレートを設定するというデータもあるとのことです。
流石に…と思う方もいるかもしれませんが,これは実際不思議なことでもありません。
人間は「与えることに快感を感じる」生き物だからです。`
具体的な例を挙げてみます。
とあるアメリカの大学での実験です。
ある人に1ドルを渡すとします。
Aにはその1ドルを「募金するように」と指示して与え,Bには一度1ドルを与えた後で「やっぱり返して」もらいます。
その後に両者の幸福度を測定するとなんとAの幸福度の方がBの幸福度よりも2倍以上高かったのです。
人間は一度手に入れたと思ったものを失うと最初からなかった場合よりも大きな喪失感を感じ,逆に「他人に何かを与える」という行為については「人からそれを貰う」のと同等かそれ以上の満足感を得るものなのです。つまり,返報性の原理でいう「されたことにするお返し」は,「してもらったから何かしてあげよう」なんてレベルではなく,「何かお返しを是非してあげたい!」という欲求なのです。だからこの効果はどんな人にも当てはまり,抗いがたいと申し上げたのです。
これは皆が気になるであろう恋愛の面でも絶大な威力を発揮します。
もうこれは恋愛科学的なチャートにもなるくらい流れが決まってしまいます。
先ほども言いましたが。返報性の原理が働くのは物の渡しあいやお礼のみに限りません。秘密の暴露,つまり弱みの開示にも作用します。
あなたが仲良くなりたいと思う異性がいます。人というものは言ってしまえば動物の一類型ですから,自分が信頼している人にしか基本的に弱みを見せたくありません。代表的なものはそう,彼氏彼女です。しかし,ここでまだ恋人でない自分が弱音・弱点を開示することで相手に返報性の原理が働き,弱みや弱点を開示してくれます。さあ大変,相手からすればまだ信用していない相手に,信用している人にしか話さないような話をしてしまいました!無意識下でどのような心理状態になるのでしょうか?
実はここで相手には認知的不協和の解消という現象が起こり,あなたに対する信頼がアップするのです。
あれあれ?また新しい単語が出てきましたね。認知的不協和の解消とはいったいなんなんでしょうか。
今回は長くなってしまいましたので,これについてはまた解説します。よければ楽しみにしていてください。
以上,返報性の原理でした。これは無意識化でそうなってしますという原理なので何度も言いますが非常に強力です。再三言いますが絶対に悪用しないでください。
ちなみにこれは敵意や害意にも働きます。自分の事を嫌っている人の事を中々好きにならないでしょ?
悪口・悪意はなるべく控えた方が,あなたにとってより良い人生が待っていますよ。
では,今回はここまで。